第20回 (2017年度)・濱田博司先生(理化学研究所)
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川村 敦生 (博士課程2年)・仁田 暁大 (博士課程2年)
この度はSSS実行委員という大変貴重な経験をさせて頂きました。今回もSSS開催にあたり、学生のみなさんに「今一番ご講演を聴いてみたい先生は?」というアンケートをとった結果、理化学研究所 多細胞システム形成研究センターの濱田博司先生にご講演をお願いすることができました。私が初めて濱田先生を知ったのは学部生の時でした。当時、九大の目野主税先生の発生学の講義を受けており、その中で目野先生の上司であった濱田先生のお名前を何度もお聞きしていて、いつか濱田先生のお話を直接聞いてみたいと思っておりました。この度はこのような形でご講演をお聞きすることができ大変嬉しく感じました。
ご講演は大変分かりやすく、これまで行ってきた研究やLeftyの発見から体の左右非対称性の分子機構を一つ一つ明らかにしていく過程を丁寧に説明されており、その背景の面白さと深さに圧倒されました。濱田先生自身が現在進めている研究に対して本当に興味を持ってとても楽しそうにご講演されており、定年を過ぎた今でも熱意を持って真摯に研究に向き合っておられる姿は非常に印象深かったです。また、先生がどのようなことを考えながらこれまでの研究人生を歩んできたかについてもお聞きすることができてとても良い経験になりました。
ご講演後は夜遅くまで懇親会にもお付き合いいただき、講演ではなかなか聞けないような面白いお話をお伺いすることができてとても有意義な時間になりました。また留学や今後の研究についてのアドバイスなど多くのことを教えていただき、濱田先生からのお言葉には大変勇気づけられました。
今回SSSを担当させていただいたことで、短い時間でしたが濱田先生と身近に接することができ貴重な体験をすることができました。先生とサイエンスや研究人生について語ることができたことは、私の今後の研究の糧になると思います。このような素晴らしい会の開催をサポートして下さった学生の皆様に感謝申し上げます。そして最後になりますが、お忙しい中、学生からの突然のお願いを快く引き受けて下さった濱田先生、本当にありがとうございました。
(川村 敦生)
記念すべき第20回SSS実行委員として、濱田博司先生をお招きすることができ大変光栄でした。ご講演では、先生の研究生活の変遷からお話し頂き、研究内容を通して、当時の先生の姿が見えるような気が致しました。そして何より研究に対する情熱が強く、左右の非対称性のメカニズム解明をトコトン突き詰めて、一本の筋が通った研究人生を歩まれていることに、大変感銘を受け憧れました。先生は、ご講演後の質疑応答や、懇親会の席でも、しっかりと私たちの話に耳を傾けて下さり、研究に対しても人に対しても一つ一つ丁寧にご教示下さる姿が非常に印象的でした。
研究内容に関してはやはり面白くて、左右軸決定という生物の非常にベーシックな現象解明はさることながら、一つのクエスチョンに対して様々な分野の方とコラボレーションしながら、大阪大学をご退官された後の今でも、精力的にかつ最前線で研究されており、未発表データもご説明頂けたことは大変いい勉強と刺激になりました。
今後、自分の研究人生を決める上で、先生の進まれた道は非常に参考になりましたし、科学者ならこうあるべきというのを体現されている先生に出会えたことは、私にとって大きな財産になりました。
最後になりましたが、今回のSSSを行うにあたり、ラボ内の皆様に協力頂けたことが成功に繋がったと感じています。
濱田先生、大変お忙しい中、私たちのために先生の貴重なお時間を頂いたこと、心より感謝申し上げます。これからの先生の研究の進展を楽しみにしているのと同時に、私もより一層、自分の興味あるところをトコトン突き止める、そんな科学者を目指して精進していきたいと思います。この度は、本当にありがとうございました。
(仁田 暁大)
参加していただいた学生および先生方より御感想をいただきましたので、以下に紹介させていただきます。
濱田先生は研究者人生の中で、何故なのかという問い掛けを昔から今に至るまで続けておられ、さらにその何故が次第に繋がっていく一連のストーリーに、大変ワクワクさせていただきました。また、懇親会では、話の途中で濱田先生がおっしゃった、研究を続ける際にお金もキャリアもなんとかなる、でも自分のやりたいことは自分で持っておかないとどうしようもない、というお言葉がとても印象的でした。私も常に何がしたいかを自分に問い掛け、何故かという好奇心を常に持つような人生を生きたいと強く感じました。本当にありがとうございました。
今回のセミナーでは左右の対称性が破られる仕組みについて、濱田先生の研究のご経歴とともにご説明下さり、科学的なインパクトもさることながらその長いご経歴を左右軸形成の解明に捧げていらっしゃる姿がとてもかっこよく素敵に見えました。特に、Leftyの発見から発現時期や場所、機能や役割についてすべて決定されているというのは本当に驚きであり、聞いていてとても楽しくあっという間の2時間でした。また、質疑応答の時間では自分達学生からの拙い質問にも一つずつ本当にご丁寧に解答下さり、ありがとうございました。その後の飲み会でもたくさんお話しを伺うことができ、まだまだお聞きしたい話はたくさんあったのですが、とても楽しい時間を過ごすことができました。今回はお忙しいところ福岡にお越しくださり、また大変有意義なご時間をご提供下さりありがとうございました。
濱田先生、貴重なご講演をして下さり、有難うございました。学部生の私にとって、とても分かり易い講演で、体の非対称性における、leftyの発見から現在の研究について多くのことを理解することが出来ました。長年研究されているにも関わらず、今でも研究への探究心や興味を持っていられることに感銘を受けました。私もこれからの将来、研究に対してそのような気持ちを持ち続けることが出来ればと思います。今回はお越しいただきまして、本当に有難うございました。
この度はご多忙の中、ご講演、懇親会と非常にすばらしい機会を頂きありがとうございました。わかりやすく説明してくださったため、不勉強で発生についてあまり詳しくない自分でもしっかり理解することが出来ました。ご自身の研究の軌跡から現在取り組んでおられる最新の研究まで全てが面白く、時間がたつのがあっという間に感じられました。留学された後にも苦労されたことも多々あった中で現在までの道を切り開いてこられた先生の実体験を聴くことができて非常に貴重な体験となりました。今回のこの経験を自分の研究に生かして行きたいと思いました。
ご多忙の中、非常に面白いご講演をありがとうございました。お話に惹きこまれてしまい、あっという間に時間が過ぎたように感じました。生体の非対称性というトピックも大変興味深いものでしたが、今回先生の研究の場の変遷とそれに伴う研究の発展の過程を聞くことができ、今後の自分の研究人生を考える貴重な機会となりました。先生が2報出された単著の論文は思い入れが強い仕事だというお話は特に印象的でした。私はまだ研究者として駆け出しも駆け出しですが、後で振り返ってみて誇れるような研究をしていきたいと強く感じました。この度は本当にありがとうございました。
先日はお忙しいところ福岡までお越しいただきありがとうございました。対称性というとてもエキサイティングな事象の研究を長年に続けてこられた先生の研究者人生は一人の駆け出し科学者としてとても羨ましく思いました。しかし最初のLeftyという非常に面白い分子の発見は決して偶然などではなく実に必然的(戦略的)なプロセスの結果であり、先生のセンスには感服いたしました。(先生は「切れ味のなさを継続力で補おうとした」とご謙遜されていますが。)今後の自分の研究者人生を考える上でとても良い機会、刺激となったご講演でした。本当にありがとうございました。
先日はお忙しいところ、またご遠方から、福岡までお越しいただきありがとうございました。ご講演では、先生のこれまでのご研究の流れを分かりやすくお話下さり、大変参考になりました。また、その後の飲み会の席でも、3次会までお付き合い下さり、ありがとうございました。特に印象に残っているのは、研究生活で一番楽しかった時期をお伺いしたところ、PIになった時だとのお答えだったことです。私にはまだまだ先の話ですが、そのころには今後のライフワークとなるテーマを見つけられるよう、視野を広く持って残りの学生生活を送ろうと思います。この度は本当にありがとうございました。
濱田先生の研究に対する謙虚な姿勢と、研究を心から楽む姿を間近で拝見することができてとても感動しました。今回のSSSでは、対称に発生してきた胚がその対称性を破り非対称性を獲得するメカニズムについてでしたが、まさに生命の根幹に触れるご研究で教科書として後世に残る内容でした。そのようなご研究を発展・継続させられるのも濱田先生のお人柄あってこそだと思いました。昔は気性が激しかったと聞いたときは驚きましたが、研究に対する熱意が人一倍強いからだと思います。私も研究者を志しておりますが、謙虚な気持ちを忘れず全力で研究を楽しんでいきたいと思いました。
今回はSSSの為に遠い九州まで足を運んでくださいましてありがとうございます。先生のプレゼンテーションは非常にわかりやすく、発生の左右非対称性が生じる原理をわかりやすく教えていただきました。今回のSSSのご講演では発生生物学の面白さだけではなく、海外留学時の先生の科学に対する直向きな姿勢や謙虚さなど見習うべき点を多々魅せて頂きました。今後科学者を目指す私たちには非常に貴重な機会となりました。重ね重ねではありますが、ご講演有難うございました。
分子生物学を武器に分野にかかわらずガツガツ研究していた留学時代、Leftyに出会い左右の非対称性が生じるメカニズムを追求し続けたPI時代と、研究スタイルも非対称的でありながら、そのどちらの話からも学べることは多いと感じました。個人的には爬虫類が両生類から進化する過程で、ロバストで合理的である水流システムをなぜ手放さなければならなかったのか、非常に興味深いトピックでした。懇親会では終始とても気さくに話をしてくださり、なんとシメのラーメンにまで付き合っていただきました。大変貴重かつ有意義なセミナーでした。
濱田先生、先日はお忙しいところはるばる福岡までお越し下さり、また大変貴重なセミナーをしてくださり誠にありがとうございました。先生が20年以上もかけて、動物の左右非対称性についての研究に真摯に挑まれ続けてきたこと、そして確かな成果を得られてきたことには感嘆するばかりでした。また、質疑応答の際には一人一人の質問に興味と関心を抱いて聞いてくださり、それに対する答えも非常にスマートでわかりやすかったです。とても有意義な時間を過ごさせていただきました、本当にありがとうございました。
お忙しいなか福岡までお越し下さり、誠にありがとうございました。研究を開始された時から左右決定メカニズムに関する仕事をされていたと思い込んでいたので、Leftyに到達されるまでの過程は驚きでした。研究ではどんな出会いがあるか想像もつかないものなのですね。私もこれからの研究でどんな素晴らしい出会いがあるのだろう、とニヤニヤすると同時に、どんな展開になっても、濱田先生のように切り込んでいけるだろうか、と不安になりました。どうしたらそうなれるのだろう? と思いながらお聞きしたご講演で印象的だったのは、私ならば「細かい話だから」と言って思考を止めてしまうようなところでも、「なぜ?、なぜ?」と問いかけ、とことんこだわっていく姿勢です。その先に想像もしていなかった世界が開けるということを目の当たりにしました。飲み会でも隣でお話をさせていただくという、これ以上ない贅沢な経験をさせて頂きました。長旅とご講演でお疲れなのにかかわらず、ざっくばらんにお話をきかせて下さったのは感謝しかありません。一生記憶に残るような時間となりました。本当にありがとうございました。
濱田先生、多忙極まる中福岡までお越しくださり、大変貴重なご講演をありがとうございました。多細胞生物の左右非対称性を司る遺伝子の発見から、繊毛が作り出すフローによるパターン形成に至るまで、短期間のうちに先生が明らかにされてきたメカニズムの美しさに感動しっぱなしのひとときでした。発生生物学のスーパースターであるにも関わらず、まったく気取らず謙虚なお人柄もとても素敵で、魅了されてしまいました。懇親会でおっしゃっていた「自分が本当にやりたいことができないんだったら、研究者を続ける意味なんてない」というお言葉が大変強く印象に残っており、数々の偉大な発見は並々ではない強い信念に裏打ちされたものだったことを垣間見た気がしました。自分が本当にやりたいことは何なのか、研究をする上である意味最も難しい問いだと思いますが、常に意識して研究人生を歩んでいきたいと思いました。
先日は福岡までわざわざお越しいただきありがとうございました。昔のサブトラクションは手技が非常に難しかったと聞いておりますが、最先端かつ高難易度の技術を駆使してOct3/4の発見をしただけではなく、Leftyを同定した後はその技術に縛られることなくマウス遺伝学と発生生物学の手法を取り入れる研究に大きく舵を切り引き続き成果を出し続けたお話はとても感動しました。先生の研究の軌跡から今まさに進行中のプロジェクトまで全て刺激的で、時間が経つのも忘れて聞き入ってしまいました。また、その後の懇親会においては濱田先生の科学に対する熱い思いを直接お伺いさせていただくという、我々学生にとってはまたとない貴重な時間を過ごすことが出来ました。先生の話を是非お聞きしたいという我々の願いを叶えてくださり誠にありがとうございました。
SSSはあらためて非常にご高名な先生方のお話を目の前で聴ける素晴らしい機会だと感じました。とくに大きな学会で聴くよりもわたしたち若い研究者に向けたメッセージを意識して送っていただけているように感じました。とくに心に残ったのは、Leftyの発見から大きく研究の方向性が変化して、直感と科学的興味を重視して多くの重要な、そして聞いていて楽しい大きな発見をされてきた過程でした。科学者は職業ではありますが、最も重要なのは自分のつきつめたいこと、そして科学に対する自分の興味を信じることだと感じました。素敵なお話ありがとうございました。
大変素晴らしいご講演をありがとうございました。偶然とも必然とも言えるLeftyの発見から、その後の左右非対称性を決定するメカニズムの全貌を解明していくお話しは大変感動的でした。発生学者でも遺伝学者でも無かった濱田先生が、非対称性のメカニズムを解明するという目的に向かって、遺伝学やイメージング、また物理学的な側面などからの解析により、柔軟に研究を進めていかれているのは圧巻でした。人柄も大変温厚で、研究を心から楽しんでいるという感じが伝わってきました。今回濱田先生から学んだ多くのことを忘れずに、私も自分だけの研究というものを築いていけるように邁進していきたいです。
九州大学 生体防御医学研究所
分子医科学分野
川村 敦生 (博士課程2年)・仁田 暁大 (博士課程2年)