研究に関すること

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01
幹細胞の細胞周期制御メカニズム:全身の幹細胞の可視化に向けて

私たちの身体は、さまざまな構造・機能を持つ臓器(≒器官・組織)から構成されています。それぞれの組織において、すべての細胞を生み出すもとになっている細胞のことを「組織幹細胞」といいます。組織幹細胞は、組織全体のわずか0.001%という大変まれな細胞集団でありながら、数十年にも及ぶ寿命を持ち、特定の組織を一生涯にわたって維持する能力を有しています。

それぞれの組織ごとに特有の幹細胞が存在すると考えられていますが、多くの組織において、その正体はほとんど明らかにされていません。その理由としては、幹細胞の数がきわめて少ないことに加え、そもそも何を手掛かりにして幹細胞を探せばよいのか、いわば「組織幹細胞の目印」は何かということがほとんどわかっていないことが最大の要因といえます。

私たちは、組織幹細胞の大きな特徴である「静止状態(G0期)」に着目して研究を行ってきました。細胞が増殖するときには「細胞周期」にしたがって分裂を行うことで子孫の細胞を生み出していくことがよく知られていますが、組織幹細胞は長期にわたって細胞周期を停止し、あたかも冬眠しているような状態にあることがわかってきたのです。この静止状態にとどまることで、組織幹細胞は分裂に伴うストレスや老化を回避し、その性質を一生涯にわたって維持できると考えられます。

私たちはこれまでの研究において、静止状態の維持に重要な因子である「p57」という遺伝子が、血液・神経・腸管の幹細胞で非常に高レベルに発現していることを見出してきました。さらにノックアウトマウスを用いた実験から、p57は組織幹細胞を静止状態にとどめておくことで、幹細胞の維持に必須の役割を果たしていることを明らかにし、これらの発見は世界的にも高い評価を受けています。

図1-1

ここで大変興味深いのは、このp57は「幹細胞だけ」に発現し、他の細胞にはまったく発現していないという点です。さらに、その発現パターンと機能的な重要性は、血液・神経・腸管という最も研究が進んでいる3種類の組織幹細胞において共通しています。
この事実はすなわち、「p57を目印として用いれば、すべての組織において幹細胞を探し出すことができるのではないか」という可能性を強く示唆しています。最近、私たちはこの仮説に基づいて、以下の2種類の遺伝子改変マウスの作出に成功しました。

近い将来、これら2つのシステムを組み合わせることで、各組織の幹細胞の性質や挙動を生体内(in vivo)で理解することができるようになると考えています。

近年、iPS細胞の登場によって再生医療への道が開かれましたが、そもそも生体内に存在する組織幹細胞がよくわかっていないという事実は、その現実化を進めるうえで大きな障壁となっています。また、臨床医学最大のブラックボックスであるがんや老化といった現象も組織幹細胞の異常であることが予想されていますが、やはりその仕組みを解明するにはまず正常の幹細胞について詳細に理解することが不可欠です。現在の私たちの研究は、これらの問題を解決する糸口となると考えています。

図1-2

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02
がん幹細胞の根絶:がんの治療を180度転換する

65才以上の方の割合がまもなく3割に到達しようとしている今の日本で、ダントツの死因は何かお分かりですか?それは「がん」であり、日本人の2人に1人はがんに罹り、3人に1人はがんで死ぬ時代です。しかもがんの発症率は年齢の5乗に比例すると言われているので、高齢化が進めば今後ますますがんの患者さんが増えていくでしょう。若いみなさんも他人事でありませんね。

がんは細胞が勝手にどんどん増殖してしまう病気ですが、正常細胞を攻撃せずに、異常ながん細胞だけを狙い撃ちして治療することは現在もほとんど成功していません。現在の抗がん剤のほとんどは、増殖が速い細胞を殺す薬剤ですが、がん細胞にも増殖が遅い細胞がごく一部含まれていて、その細胞こそががんの親玉 (がん幹細胞) であることが近年わかってきました。つまり抗がん剤だけでは増殖の遅いがんの親玉は退治できず、これが再発の原因になるのです。これを専門用語を使ってまとめると、がん幹細胞が細胞増殖期から外れた静止期 (G0期) にいることで、がんの治療抵抗性が生じているということになります。

私たちは長年にわたって細胞増殖とユビキチン (不要になったタンパクにつけられる目印) を研究してきたので、その成果ががんの親玉退治に応用できないのかと思い、血液のがんの一種である慢性骨髄性白血病を題材に調べてみました。すると興味深いことに、がん幹細胞でFbxw7というユビキチンをつける酵素が高発現していることが分かりました。

私たちはこの酵素がc-Mycを分解することを世界に先駆けて報告しました。c-Mycは細胞増殖のアクセル分子であるため、もしがん幹細胞のFbxw7を壊せばc-Mycが蓄積し、細胞増殖のアクセルが踏まれるはずです。その結果、がん幹細胞が静止期から細胞増殖期へと追い出され、抗がん剤で殺せるのではないかと考えました。つまりFbxw7を壊してがん幹細胞を細胞増殖期へと移行させれば、従来の抗がん剤でがん幹細胞をやっつけることができるようになるだろうという仮説を立てるに至りました (図2-1) 。

図2-1

この仮説を元に、実際に実験を行ったところ、Fbxw7を欠損したがん幹細胞では予想通り静止期の割合が減少していることが判明し、さらに驚くべきことに抗がん剤治療後の生存率も著明に改善することが明らかとなりました (図2-2) 。

図2-2

このようにして、動物モデルではFbxw7を抑制することによってがん幹細胞を根絶することに成功しましたが、いち早くヒトに対して応用するためには薬剤の開発が欠かせません。現在はFbxw7の阻害剤の開発を急ぐと同時に、他のがんでも効果があるかどうか、逆に静止期のままずっと眠らせておくことは可能なのかということも研究しています。

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03
がん転移メカニズムの解明:実際にヒトを治療する試み

現在、日本人の2人に1人はがんにかかるといわれています。しかしがんは、なってしまえば必ず死ぬというわけではなく、外科手術や化学療法等をおこなえばある程度は治るようになってきました。一方、がんがいったん転移をしてしまえば、生存の確率は格段に低くなります。がん転移は複数の部位にわたることが多く外科手術が困難な上、既に化学療法等に耐えたがん細胞が増殖するため、これまでの治療法が効かなくなることが多いからです。このため、従来の「がん細胞を殺す」治療戦略に加え、「がん転移を抑制する」戦略が考えられ始めています。

がん細胞が生存・転移するためには、がん細胞自身の能力に加え、がん細胞の周りの正常細胞(がんニッチ細胞)の手助けが必要であることがわかってきました。がん細胞は自身の成長に有利な「お助け細胞」を呼び寄せたり、周りにいる正常細胞を“教育”して「お助け細胞」に変えてしまいます。また自分の周りだけではなく、これから転移する行先さえも居心地がいいように遠隔操作してしまいます。逆に言えば、これらのがんニッチ細胞からの手助けを断ち切ってしまえば、がん細胞は増殖や転移をしにくくなると考えられます。

われわれは最近がんニッチ細胞中のFbxw7というタンパク質ががん抑制機能、とりわけがん転移を抑制する機能を持っていることを見出しました。Fbxw7が体質的に低い人は高い人に比べてがんが再発しやすく、実験的にがんニッチ細胞でFbxw7を欠損させると「がん転移お助け細胞」になることがわかりました。この「Fbxw7欠損お助け細胞」はCCL2と呼ばれるサイトカイン*1を多く分泌してがん細胞の転移を促進していました。われわれはCCL2の機能を抑制すればがん転移は抑制できると考え、「プロパゲルマニウム」というCCL2機能抑制をもつ薬を用いたところ、マウスの系でがん転移を強力に抑制することがわかりました。

図3-1

プロパゲルマニウムはB型肝炎治療薬として20年近く使用されてきた既存薬であり、ドラックリポジショニング*2の好例となることが期待されます。本薬は、既に様々な施設との共同研究により各種がん患者に対して治験を始めており、同時に、どのようながんにどのように効くか、さらなる検証実験を進めています。本研究により「がん」が「死なない病気」になることを期待しています。

*1   サイトカイン:細胞から放出され、様々な細胞間相互作用を媒介するタンパク質(液性因子)の総称
*2   ドラックリポジショニング:ある疾患に有効な治療薬から、別の疾患に有効な新たな薬効を見つけ出すこと

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04
自閉症研究:コミュニケーションを科学する

みなさんの周りにちょっと変わった人、不思議ちゃん、KYなどと呼ばれている人がいませんか?そのような人たちの中に、自閉症スペクトラムと呼ばれる先天性のコミュニケーション障害を抱えている人がいることをご存知でしょうか。自閉症は、全人口の約2%が罹患する非常に頻度の高い疾患であり、医学的のみならず社会的に大きな問題となっています。自閉症の本質はコミュニケーション障害および常同・反復的な興味・行動を示す発達障害であり、その発症メカニズムの解明と治療法の開発が強く求められています。

自閉症は親の育て方が悪いなどの環境要因が原因だと思っている人がいるかもしれません。しかし、実際には自閉症の発症には遺伝的要因が強く関わっていることが分かっています。例えば、同じゲノムを持つ一卵性双生児では自閉症発症の一致率が90%程度である一方で、二卵性双生児では一致率が数%程度であることが報告されています。近年、自閉症患者の大規模なゲノム解析によって、私たちのグループが今まで長年にわたって研究してきた「CHD8」という遺伝子が最も有力な自閉症原因候補遺伝子として同定され、世界中で大きな反響を呼んでいます。

図4-1

CHD8はATP依存性クロマチンリモデリング因子のSNF2スーパーファミリーに属し、クロマチン構造を変化させることによって転写を調節する分子であると考えられています。CHD8(Duplin)はもともとWnt–βカテニンシグナル伝達経路の負の制御因子として同定されましたが、私たちは世界で初めてCHD8ノックアウトマウスを作製し、これらのマウスが発生初期にアポトーシスの異常な亢進により死亡することを見出しました。さらにこれまでにCHD8がp53やβカテニンの転写活性を抑制することで発生期の器官形成に重要な役割を果たしていることを示してきました。

最近、ヒト自閉症患者で報告されたCHD8変異を再現したマウスを作製し行動解析を行ったところ、自閉症を特徴付ける行動異常である社会的行動の異常や不安様行動の増加が観察されました。さらに遺伝子発現解析によって神経発生の重要な制御因子が異常活性化しており、ヒトでの知見と同様に神経発生遅延が起こることを実証しました。私たちは、これまでに作製した種々のCHD8機能喪失型マウス(ノックアウトマウス)とCHD8機能獲得型マウス(トランスジェニックマウス)を組み合わせることによって自閉症の発症時期、責任部位、責任細胞種を特定すると共に、自閉症の発症メカニズムを解明し、これらのモデルマウスを用いて新しい疾患治療法の確立を目指しています。

図4-2

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05
プロテオーム研究:生命の設計図を描く

われわれが代々受け継いできた遺伝情報(その全体をゲノムと呼ぶ)は染色体上に四種類の塩基(AGCT)の配列としてコードされています。ゲノム配列情報の解析は生命の設計図を得ることに等しいと考えられ、世界中でゲノム解読プロジェクトが進行し、2000年代前半にはヒトや主要なモデル生物種のゲノム配列の解読が完了しました。しかしながら、解読されたゲノム配列は生命を構成する部品リストであり、生命の設計図とは程遠いものでした。

生命を理解するためにはこれらの部品がどのように組み合わさり、システムを構成しているかを知る必要があります。ほとんどの遺伝子は転写、翻訳されてタンパク質となりその機能を発揮します。つまりゲノムはプロテオーム(ゲノムから発現するタンパク質の総体)に変換され細胞システムを構築しているわけです。個々の細胞において各々の遺伝子は常に一定であるのに対して、タンパク質は極めて広い存在量幅(ヒトの細胞では10の6乗以上と言われている)を持っており、その状態は状況に応じて刻一刻と変わります。したがって、生命の設計図を描くには、タンパク質の発現量や機能を定量的に計測し、プロテオームが織りなす分子ネットワークの構造や機能を知ることが重要です。

図5-1

プロテオームを研究する学問領域である”プロテオミクス”では、主に質量分析計と呼ばれる機器を用います。私たちの研究室では15台の質量分析計を駆使してプロテオミクスに関する技術開発を行ってきました。

図5-2

最近では、次世代の定量プロテオーム解析技術iMPAQT (in vitro proteome–assisted MRM for protein absolute quantification)法を開発し(日米英で特許取得済み)、様々な生物学や医学の研究に利用しています。

iMPAQT法では網羅的な組み替えタンパク質ライブラリーを利用して定量プロテオミクスの手法であるMRM(multiple reaction monitoring)を大規模に実施し、正確なタンパク質の絶対量を計測することが可能です。また、タンパク質の機能制御に重要なリン酸化やユビキチン化などの翻訳後修飾羅的に解析する技術も確立しており、これらを統合的に用いれば細胞の状態を規定するタンパク質情報を多面的かつ定量的に得ることが可能です。得られたタンパク質精密計測データを数理・統計学的手法で解析し、細胞システムの動作原理の解明に挑んでいます。例えば、細胞がん化やがん悪性進展過程のプロテオーム解析から、がん細胞に特有な分子ネットワークの同定を行い、これらを対象とした新たながん治療戦略の確立を目指しています。

図5-3

研究の軌跡

※ 中山が最終著者またはコレスポ

※ 主要な共同研究

1996

p27ノックアウトマウスを作製し、世界で初めてCDKインヒビターの欠損によってがんが生じることを発見した ( Nakayama et al., Cell表紙 )

1997

Bcl-2ノックアウトマウスの骨髄移植実験によって、Bcl-2が骨髄幹細胞の生存に重要であることを証明した ( Matsuzaki et al., Blood )

1998

Bcl-2のファミリー分子であるA1のノックアウトマウスを作製し、好中球でのアポトーシスが亢進していることを発見した ( Hamasaki et al., J. Exp. Med. )

1999

F-boxタンパク質FWD1(β-TrCP1/Fbxw1)がβカテニンやIκBを認識することを発見した ( Hatakeyama et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA; Kitagawa et al., EMBO J. )

FWD1と基質の結合様式や他のIκBファミリーに対する反応性などを明らかにした ( Shirane et al., J. Biol. Chem.; Hattori et al., J. Biol. Chem. )

p27のユビキチン化に関する詳細な生化学的解析を行った ( Shirane et al., J. Biol. Chem. )

2000

世界で初めてのF-boxタンパク質ノックアウトマウスであるSkp2ノックアウトマウスを作製し、p27やサイクリンEが高度に蓄積していることを発見した ( Nakayama et al., EMBO J. )

チェックポイントに関わる分子であるChk1のノックアウトマウスを作製し、Chk1が発生段階のDNA傷害チェックポイントに重要であることを示した ( Takai et al., Genes Dev. )

サイトカインレセプターに会合するチロシンキナーゼTyk2のノックアウトマウスを作製し、インターフェロンαに対する応答性やIL-12を介するレスポンスが障害されていることを発見した ( Shimoda et al., Immunity )

IκBキナーゼキナーゼとしてNAKを発見 ( Tojima et al., Nature )

p27の主要リン酸化部位がSer-10であることを発見 ( Ishida et al., J. Biol. Chem. )

サイクリンのユビキチン化に関わるE2の一つであるmE2-CがAPC/Cによってユビキチン化されることを証明した ( Yamanaka et al., Mol. Biol. Cell )

p57ノックアウトマウスを作製し、ほとんどが出生付近で死亡することを発見。口蓋裂や骨格異常、さらに腸管の欠損等、p27ノックアウトマウスとは大きく異なることを示した ( Takahashi et al., J. Biochem. )

2001

Skp2ノックアウトマウスにおいてもp27のユビキチン化は起こりうることを実証した。未知の細胞質内酵素活性を検出 ( Hara et al., J. Biol. Chem. )

世界で初めてU-box型ユビキチンリガーゼを発見した ( Hatakeyama et al., J. Biol. Chem. )

p27のT187A変異ノックインマウスを作製し、p27がS期からG2期にかけて分解不全を起こすものの、細胞周期は全体として異常なく進行することを報告した ( Malek et al., Nature )

A1ノックアウトマウスを用いて、A1がマスト細胞の生存に必須であることを証明した ( Xiang et al., J. Exp. Med. )

2002

PKCδのノックアウトマウスを作製し、B細胞の増殖が亢進して自己免疫疾患を発症することを発見した ( Miyamoto et al., Nature )

線虫におけるSkp1ホモログについて、多くのファミリーを同定し、その機能をRNAiで調べた ( Yamanaka et al., Curr. Biol. )

Skp2ノックアウトマウスの肝臓を部分切除すると、肝臓の組織容量は回復するが細胞数は増えていないことを発見した ( Minamishima et al., Cancer Res. )

p130ノックアウトマウスを作製し、p130がGABAAレセプターの機能に重要な役割を果たしていることを発見した ( Kanematsu et al., EMBO J. )

p27の主要リン酸化部位Ser-10のリン酸化はp27の核外移行を促進することを発見した ( Ishida et al., J. Biol. Chem. )

CHIPがParkinと会合してE4様の働きをしていることを実証した ( Imai et al., Mol. Cell )

2003

膜結合型イムノフィリンFKBP38がBcl-2やカルシニューリンに結合して、その活性を制御することにより、抗アポトーシス作用を有することを発見した ( Shirane & Nakayama, Nature Cell Biol. )

FWD1(β-TrCP1/Fbxw1)のノックアウトマウスを作製し、βカテニンやIβBの分解が部分的に阻害されていることを証明した ( Nakayama et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA )

p57のユビキチン化がSkp2によって行われていることを発見した ( Kamura et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA )

Skp2のプロモーターを解析し、RasからのシグナルによってGABPが結合して転写を活性化していることを証明した ( Imaki et al., Cancer Res. )

2004

原らが以前発見していたp27に対する未知の細胞質内酵素を精製し、クローニングした。これはKPC(Kip1 ubiquitylation Promoting Complex)と名付けられ、p27のG1期でのユビキチン化に関与していることを発見した ( Kamura et al., Nature Cell Biol. )

p27/Skp2ダブルノックアウトマウスを作製し、Skp2ノックアウトマウスでの異常がほとんど消失することにより、Skp2の主要な標的がp27であることを証明した ( Nakayama et al., Dev. Cell )

c-MycのユビキチンリガーゼがFbw7であることを発見した ( Yada et al., EMBO J. )

われわれが発見した高等生物で初めてのE4分子であるE4B/UFD2aが、ポリグルタミン病原因分子Ataxin-3/MJD1のユビキチン化に関わることを発見し、ショウジョウバエを用いた研究によって、その治療効果を実証した ( Matsumoto et al., EMBO J. )

Cul2とCul5に結合するBCボックスタンパク質を特定し、Cul2-Rbx1とCul5-Rbx2は異なるBCボックスタンパク質(VHLドメインとSOCSドメイン)を認識することを発見した ( Kamura et al., Genes Dev. )

Fbw7のノックアウトマウスを作製し、胎生期に血管分化異常を呈して死亡することを発見した ( Tsunematsu et al., J. Biol. Chem. )

Fbw7がp53依存性のハプロインサフィシエントな癌抑制遺伝子であることを発見した ( Mao et al., Nature )

Duplin/CHD8のノックアウトマウスを作製し、胎生期に強いアポトーシスを呈して死亡することを発見した ( Nishiyama et al., Mol. Cell. Biol. )

2005

p27ノックアウトマウスでは、膵島の肥大によって高血糖になりにくいことを証明した ( Uchida et al., Nature Med. )

p27のS10Aノックインマウスを作製し、G0期の安定性が極度に低くなっていることを発見した ( Kotake et al., J. Biol. Chem. )


c-Mycを分解する人工ユビキチンリガーゼMax-Uを作製し、それががん形質を抑制し、実際に治療効果があることを証明した ( Hatakeyama et al., Cancer Res. )

Skp2がRAG-2をユビキチン化し、VDJ再構成に関与していることを証明した ( Jiang et al., Mol. Cell )

ALDH2ノックアウトマウスを作製し、ALDH2がニトログリセリンによる血管拡張に重要な役割を果たしていることを証明した ( Chen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA )

E4B/UFD2aのノックアウトマウスを作製し、E4Bが心臓発生に重要な役割を果たしていることを明らかにした。またヘテロマウスでは生後1年程度より脊髄小脳失調を示すことが明らかとなった ( Kaneko-Oshikawa et al., Mol. Cell. Biol. )

KPC2の分子解剖的な検討を行い、UBL-UBAタンパク質として特異な性質を有することを報告した ( Hara et al., Mol. Cell. Biol. )

2006

未知の膜タンパク質プロトルーディンがRab11-GDPに結合して、神経突起形成に重要な役割を果たしていることを明らかにした ( Shirane & Nakayama, Science )

細胞周期と発がんに関与するユビキチンリガーゼ群について、詳細なレビュー ( Nakayama & Nakayama, Nature Rev. Cancer )

PKCδを介したシグナル伝達系が活性酸素による細胞老化に深く関わっていることを証明した ( Takahashi et al., Nature Cell Biol. )

Fbxw8ノックアウトマウスを作製し、この機能未知なF-boxタンパク質がCul1とCul7を橋渡しするような新規複合体を形成すること、胎盤の正常な発生にとって重要であることを報告した ( Tsunematsu et al., Mol. Cell. Biol. )

2007

Fbw7のT細胞特異的なコンディショナルノックアウトマウスを作製し、T細胞の細胞周期停止にFbw7が必須であることを発見した。またこのマウスではリンパ腫の発生を高頻度に認め、Fbw7が癌抑制遺伝子であることを世界で初めてマウスモデルで実証した ( Onoyama et al., J. Exp. Med. )

p27の核外移行がサイクリンD2に依存していることを発見した ( Susaki et al., Mol. Cell. Biol. )

Foxo3aのノックアウトマウスでは骨髄幹細胞の機能が一部喪失することを発見した ( Miyamoto et al., Cell Stem Cell )

2008

Fbw7の骨髄特異的コンディショナルノックアウトマウスを作製し、骨髄幹細胞におけるG0期の減少と骨髄再建能の喪失、およびT細胞急性リンパ性白血病を発症することを発見した ( Matsuoka et al., Genes Dev. )

FKBP38ノックアウトマウスを作製し、神経細胞におけるアポトーシスが亢進していること、プロトルーディンのリン酸化が亢進していることを発見した ( Shirane et al., Genes Cells )

Wnt経路依存的なp27の分解は、Skp2に依存せず、Cul4経路によって起こることを発見した ( Miranda-Carboni et al., Genes Dev. )

統合失調症関連遺伝子FEZ1のノックアウトマウスを作製し、過行動やドーパミン作動性神経の過活動、精神興奮剤への過剰な反応等、統合失調症の症状の一部を再現することに成功した ( Sakae et al., Hum. Mol. Genet. )

2009

クロマチンリモデリング因子CHD8がp53に結合し、さらにヒストンH1をリクルートすることによって、初期胚においてp53によるアポトーシス誘導を抑制することを発見した ( Nishiyama et al., Nature Cell Biol. )

p57遺伝子にp27をノックインしたマウスを作製し、生体内における大部分のp57の機能はp27によって置き換えられることが可能であることを証明した ( Susaki et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA )

Skp2がAktによってリン酸化され、それがSCFユビキチンリガーゼ活性に重要であること、またリン酸化されたSkp2は細胞質へ局在するようになることを証明した ( Lin et al., Nature Cell Biol. )

Protrudinの結合タンパク質としてVAPを同定し、その結合がProtrudinの突起伸長作用に必要であることを示した ( Saita et al., J. Biol. Chem. )

Fbxo45はF-boxタンパク質の一つであるが、F-boxドメインの一塩基置換によりSCF複合体を形成することができず、その代わりにPAMに結合することによって、Fbxo45-PAMという新規のユビキチンリガーゼ複合体を形成することが明らかとなった。またFbxo45のノックアウトマウスを作製したところ、PAMノックアウトマウスとよく似た神経分化の異常が認められた ( Saiga et al., Mol. Cell. Biol. )

2010

Rb欠損マウスでは下垂体に腫瘍を発生するが、これはSkp2を欠損させると完全に抑制されることが明らかとなった ( Wang et al., Nature Genet. )

新規ヒストン脱メチル化酵素KDM7がヒストンH3のK9とK27の脱メチル化を媒介するデュアルデメチレースであることを示し、脳の発生に必須の役割を果たしていることを発見した ( Tsukada et al., Genes Dev. )

Skp2の欠損は、癌遺伝子によって誘導される細胞老化プログラムを促進するが、これは従来提唱されているようなp19ARF/p53経路に依存しないことを明らかにした。またSkp2の阻害薬はp19ARF/p53経路が機能しない癌において細胞老化を誘導し、癌の予後を改善されることを証明した ( Lin et al., Nature )

E4Bトランスジェニックマウスを作製したところ、視床下部の神経内に凝集体が生じ、神経変性が起こると共に、マウスが高度に肥満することが明らかとなった ( Susaki et al., J. Biol. Chem. )

RhoA遺伝子の転写調節にはMyc/Skp2/Miz1/p300複合体が関係しており、Skp2はユビキチンリガーゼ活性とは関係なく、これらの複合体形成に関与する。Skp2の過剰発現はRhoAの増加につながり、癌転移に促進的に働くことが明らかとなった ( Chan et al., Nature Cell Biol. )

2011

Fbw7の肝臓特異的なコンディショナルノックアウトマウスでは、短期間ではSREBPの蓄積と共に脂肪肝になり、長期間ではNotchの蓄積と共に胆道増生による過誤腫が発生することを発見した ( Onoyama et al., J. Clin. Invest. )

Fbw7がBcl-2ファミリー分子の一つMcl-1をユビキチン化することによってアポトーシスを制御していることを明らかにした ( Inuzuka et al., Nature )

RAPLの欠損がp27のSer10リン酸化を介する局在異常のためにリンパ球が異常増殖することを明らかにした ( Katagiri et al., Immunity )

E3/E4活性を有するUBE4BがMdm2によるp53の分解を促進することによってp53の機能を抑制していることを発見した ( Wu et al., Nature Med. )

Fbw7の脳特異的なコンディショナルノックアウトマウスは、生直後に吸乳障害によって死亡する。このとき脳の発生過程でNotchの分解異常による蓄積と脳形態の異常を認め、神経幹細胞増加やアストロサイトへの分化亢進が発見された ( Matsumoto et al., J. Biol. Chem. )

骨髄特異的p57コンディショナルノックアウトマウスを作製し、p57が骨髄幹細胞のG0期維持に必須の分子であることを示した。さらにp57が欠損すると骨髄幹細胞の幹細胞性が喪失することにより、幹細胞においてG0期維持が大変重要であることが遺伝学的に実証された( Matsumoto et al., Cell Stem Cell )

FBXL5ノックアウトマウスは胎生早期致死であるが、その主要基質であるIRP2をダブルノックアウトすると正常に生まれるようになる。さらに肝臓特異的FBXL5コンディショナルノックアウトマウスを作製すると脂肪肝が起こり、そこに高鉄含有食を与えるとマウスが死亡することが明らかとなった。このことはFBXL5-IRP2系が鉄代謝における重要な制御機構であることを遺伝学的に示している ( Moroishi et al., Cell Metab. )

神経特異的p57コンディショナルノックアウトマウスを作製したところ、全身ノックアウトマウスが生直後に死亡するのに対して、生後2~3週まで生存可能であった。しかしこのマウスは非閉塞性水頭症と小脳の形成異常を伴い、特にゴルジ細胞等のPax2陽性前駆細胞が消失していた。この異常はp53依存性のアポトーシスによって起こることが遺伝学的に証明された ( Matsumoto et al., Mol. Cell. Biol. )

胎児肝における造血幹細胞の幹細胞性はp27とp57に依存しており、それは細胞質に局在するp27/p57がHsc70を介してサイクリンD1を結合することによって、サイクリンD1の細胞質から核への移行を阻害していることに基づくことを明らかにした ( Zou et al., Cell Stem Cell )

Protrudinの結合分子をプロテオミクスを用いて探索し、モーター分子KIF5との会合を証明した。さらにProtrudinはRab11をはじめとする多くのCargo分子をKIF5に載せるアダプター分子としての役割を果たすことが実証された ( Matsuzaki et al., Mol. Biol. Cell )

2012

CHD8がβカテニンと結合し、さらにヒストンH1をリクルートすることによってクロマチン構造を変化させ、Wnt標的因子の転写を抑制することが明らかとなった ( Nishiyama et al., Mol. Cell. Biol. )

サイクリンD1のユビキチン化に関与すると報告されている4つのF-boxタンパク質(Fbxo4、Fbxw8、Skp2、Fbxo31)は全て遺伝学的に関与が確認できないことを明らかにした ( Kanie et al., Mol. Cell. Biol. )

ErbB依存的なAktのユビキチン化はSCF/Skp2ユビキチンリガーゼによって起こり、それはAktの膜局在および活性化に必要である。またSkp2のサイレンシングはHer2過剰発現腫瘍をハーセプチンに対する感受性を高めることを発見した ( Chan et al., Cell )

ディファレンシャルプロテオミクスを利用してF-boxタンパク質の基質を網羅的に探索する技術(DiPIUS)を開発した ( Yumimoto et al., J. Proteome Res. )

リジンのないユビキチンを使って、網羅的なユビキチン化タンパク質の同定法を開発し、約800のタンパク質の約1400のユビキチン化部位を決定した ( Oshikawa et al., J. Proteome Res. )

2013

マイトファジー時にFKBP38やBcl-2がミトコンドリアからERへと脱出することを発見した ( Saita et al., Nature Commun. )

慢性骨髄性白血病においてFbxw7が欠損すると白血病幹細胞が静止期から追い出されて細胞増殖サイクルに進行し、抗がん剤によって死滅することを発見した。これはがん患者においても「G0期追い出し療法」によって、がんが根治できる可能性を示唆する ( Takeishi et al., Cancer Cell )

慢性骨髄性白血病においてFbxw7が欠損すると白血病幹細胞中にc-Mycが蓄積し、p53依存的なアポトーシスを起こして白血病幹細胞が死滅することを発見した ( Reavie et al., Cancer Cell )

FBXL3はCryをユビキチン化して分解を誘導するが、その類似分子であるFBXL21は逆にCryのユビキチン化によってそれを安定化することがわかった。FBXL3ノックアウトマウスの体内時計の異常はFBXL3/FBXL21ダブルノックアウトマウスでは正常化される ( Hirano et al., Cell )

DiPIUS法を用いてFbxw7の基質であるOASISとBBF2H7を同定し、Fbxw7による制御が骨・軟骨分化にとって重要であることを証明した ( Yumimoto et al., J. Biol. Chem. )

Fbxl3は、通常のF-boxタンパク質と異なり、基質であるCry1が結合したときのみSCF複合体を構築できることを発見した ( Yumimoto et al., J. Biol. Chem. )

Skp2の欠失は、pRb/p53の二重変異マウスにおける下垂体や前立腺における腫瘍形成を抑制した ( Zhao et al., Cancer Cell )

2014

pRb変異マウスにおける下垂体腫瘍形成時に、Skp2の欠失はE2F1の作用を増殖からアポトーシスへと変化させる ( Lu et al., Nature Commun. )

T細胞特異的p57コンディショナルノックアウトマウスを作製し、p57がT細胞分化に必須であり、p53の活性とTCRからのシグナルのバランスにp57が重要な役割を果たしていることを示した。またp57とp53のダブル欠損では悪性リンパ腫が発症することを明らかにした ( Matsumoto et al., Blood )

Protrudinが他のHereditary Spastic Paraplagia (HSP) の原因遺伝子産物と結合し、チューブ状ERを形成するのに役立っていることを発見した。またヒトHSP患者で発見された変異は、ERADの障害によってERストレスを起こすことを証明した ( Hashimoto et al., J. Biol. Chem. )

FBXL5の安定性を制御するユビキチンリガーゼとしてHERC2を同定した。HERC2はFBXL5のbasal turnoverを制御しているが、鉄依存的分解には関係ないことがわかった ( Moroishi et al., J. Biol. Chem. )

Fbxw7が精子幹細胞の自己複製能に対して抑制的に働いていることを明らかにした ( Kanatsu-Shinohara et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA )

ユビキチンリガーゼMDM2がRNAヘリケースDDX24をユビキチン化することがわかったが、これは分解に寄与せず、pre-rRNA processingに関与していることを発見した ( Yamauchi et al., Mol. Cell. Biol. )

プロテオミクス解析によってFKBP38の生理的な結合分子としてANKMY2を同定し、ANKMY2がShhシグナル伝達に対して正の作用を持ち、FKBP38はANKMY2を上流から抑制することで負の作用を発揮することを発見した ( Saita et al., J. Biol. Chem. )

インスリンシグナルで起こる変化を多階層オミクスで解析し、鍵となる酵素のリン酸化について発見した ( Yugi et al., Cell Rep. )

2015

骨髄特異的Fbxw7ノックアウトマウスではがん転移が増大し、それはMSCでNotch経路が活性化してCCL2の転写量が増え、その結果として腫瘍随伴マクロファージが増えたためであることを発見した。またCCL2レセプター阻害薬プロパゲルマニウムががん転移を強力に抑制することを見出した ( Yumimoto et al., J. Clin. Invest. )

p57が胎児神経幹細胞において特異的に発現しており、その欠損は成人幹細胞の発生を妨げることを明らかにした ( Furutachi et al., Nature Neurosci. )

FBXL12はALDH3を標的としてユビキチン依存性分解を誘導し、それは胎盤の分化に必須の役割を果たすことを証明した ( Nishiyama et al., Stem Cells )

2016

CHD8はヒトの自閉症で最も変異の多い遺伝子である。マウスにおいて1ペアあるCHD8遺伝子のうち片方を欠損させたヘテロ欠損マウスを作製したところ、その変異マウスは自閉症様症状を呈することが明らかとなった。さらにトランスオミクス解析によって、変異マウスの脳内で神経分化のマスターレギュレーターRESTが異常に活性化している事実を突き止めた。このRESTの異常活性化が神経の発達遅延を引き起こし、自閉症が発症するというメカニズムが高いと考えられた ( Katayama et al., Nature )

2017

lncRNAからはタンパク質は翻訳されないと信じられてきたが、LINC00961から翻訳されるペプチドSPARはリソソームに局在してv-ATPase複合体と結合することによりアミノ酸に依存的なmTOR複合体1の活性化を抑制することを発見した ( Matsumoto et al., Nature )

全てのタンパク質を絶対定量する新技術iMPAQTを開発し、がんにおける全ての代謝酵素の測定からその特徴を発見した ( Matsumoto et al., Nature Methods )

細胞内鉄濃度を制御するユビキチンリガーゼFBXL5の神経特異的コンディショナルノックアウトマウスを作製したところ、神経細胞の過剰増殖が見られることが判明した ( Yamauchi et al., Mol. Cell. Biol. )

プロトルーディン遺伝子のマイクロエクソンのスプライス制御にSRRM4が関与していることを発見した ( Ohnishi et al., Sci. Rep. )

ロボット(LabDroid まほろ)を用いて実験を行い、それをクラウド化するというコンセプトを提唱した ( Yachie et al., Nature Biotechnol. )

HippoシグナルがSkp2を通じてploidyの維持や造腫瘍性を抑制していることを発見した。Yapが活性化するとAkt依存的にSkp2がアセチル化され、アセチル化Skp2は細胞質に留まるため、p27が核内で蓄積して細胞周期の停止と共にploidyが上昇すると共に、FOXO1/3が分解されて造腫瘍性が上昇することを示した ( Zhang et al., Cancer Cell )

細胞内鉄濃度を制御するユビキチンリガーゼFBXL5の骨髄特異的コンディショナルノックアウトマウスを作製したところ、骨髄幹細胞の機能が喪失することが判明した。また骨髄異型性症候群の患者でFBXL5が低下していることがわかった ( Muto et al., Nature Commun. )

mTORC1の下流で機能する分子をiTRAQ-リン酸化プロテオミクス技術を用いて網羅的に同定し、その中の一つである転写因子FOXK1がCCL2遺伝子の活性化を通じて、がんにおけるCCL2の分泌およびマクロファージの誘引を引き起こしてがんを進展させることを明らかにした ( Nakatsumi et al., Cell Rep. )

mTORC1の活性化調節に関わるRagulator-Rag GTPase複合体の構造を解明し、p18がその構造のscaffoldとして機能していることを明らかにした ( Yonehara et al., Nature Commun. )

Hajdu-Cheney syndrome (HCS)は稀な遺伝病でNotch2の変異によって発症するが、これはNotch2の変異によってFbxw7によるタンパク質分解を免れているためであることをモデルマウスを作製して証明した ( Fukushima et al., Mol. Cell )

2018

マウスの大腸がんモデルで5つのドライバー変異 (Apc, Kras, Tgfbr2, Trp53, Fbxw7)を導入し、原発巣ならびに転移に関する影響を調べた ( Sakai et al., Cancer Res. )

以前からがんとの関係が取り沙汰されていたPKM2よりも、PKM1の方ががん代謝にとって重要であることを示した ( Morita et al., Cancer Cell )

われわれの開発したユビキチン化基質の探索法であるDiPIUSを用いて、Fbxw7の新規基質としてMyRFを同定し、その標的遺伝子群を解明した ( Nakayama et al., J. Biol. Chem. )

プロトルーディンに結合するタンパク質としてTMEM55を同定し、それがv-ATPaseのアセンブリに影響してmTORの活性を調節していることを明らかにした ( Hashimoto et al., Genes Cells )

自閉症の原因遺伝子CHD8に変異がある自閉症患者は痩せ型が多いとされるが、その原因は不明であった。われれわれはCHD8が脂肪分化に関わる遺伝子で、脂肪分化のマスター転写因子C/EBPβと結合し、その転写活性化を促進していることを明らかにした ( Kita et al., Cell Rep. )

われわれは以前に転写因子FOXK1がmTORC1の下流で活性化されることを証明したが、その効果は間接的であると考えられた。今回われわれはPP2AB56がmTORC1に依存的なFOXK1の脱リン酸化に関与していることを突き止めた ( Nakatsumi et al., Genes Cells )

転写因子PU.1が他の転写調節因子をリクルートしたり、本来の場所から移動させることによる影響で、初期T細胞分化における遺伝子発現調節に複雑に関わることを証明した ( Hosokawa et al., Immunity )

T細胞の運命決定を担う転写因子Bcl11bの標的因子を決定し、プロテオミクス解析によって活性に必須の会合分子を発見した。さらにBcl11bはId2とZbtb16を抑制することにより間接的にも様々な遺伝子発現を調節していることを明らかにした ( Hosokawa et al., Nature Immunol. )

2019

乳がんにおけるDTC (disseminated tumor cell) に対してFbxw7遺伝子を破壊して細胞周期を強制的に回転させ、抗がん剤でDTCを死滅させるという静止期追い出し療法の理論的基盤をマウスモデルで実証した ( Shimizu et al., JCI Insight )

肝臓特異的にFBXL5を欠損したマウスに発がん誘発剤を用いると高率にがんが発生することを発見した。FBXL5欠損によって細胞内鉄濃度が過剰となり、酸化ストレスから遺伝子変異が引き起こされていた。つまりFBXL5は有力ながん抑制遺伝子であることが明らかとなった ( Muto et al., J. Exp. Med. )

われわれが開発したDiPIUS法によってユビキチンリガーゼSCF(Fbxw7)複合体の基質としてKLF7を同定した ( Sugiyama et al., Genes Cells )

人工知能を用いて乳がん患者の大規模公開データを解析し、乳がんの予後を決定する23個の遺伝子を発見し、その発現パターンから正確に予後を予測するスコアリングシステム(mPS)を開発した ( Shimizu and Nakayama, EBioMedicine )

ヒートショック時に、Heat Shock Transcription Factor 1 (HSF1) がSGO2と結合し、それがPolIIのプロモーターへのリクルートを促進することを見出した ( Takii et al., EMBO J. )

2020


ProtrudinとPDZD8が複合体を形成し、ERとリソソーム間における膜接触部位を構築し、その間で脂質輸送が行われていることを実証した ( Shirane et al., Nature Commun. )

悪性度の高いがんではグルタミン由来の窒素代謝が大きく偏移していることを次世代プロテオミクス技術(iMPAQT法)を用いて明らかにし、その中心酵素PPATが小細胞肺がんで高発現していることを発見した ( Kodama et al., Nature Commun. )

WntレセプターであるFrizzledをユビキチン化するRNF43がリン酸化によって制御されていることを発見し、この変異によってRNF43の制御がおかしくなるとRasとの協調によって発がんに寄与することが明らかとなった ( Tsukiyama et al., Nature Commun. )

MED26によってリクルートされたLittle Elongation Complex (LEC) はPol IIによる効率的な転写終結を促進するだけでなく、3’-endのプロセッシングも促進することを見出した ( Takahashi et al., Nature Commun. )

p57は大脳の発生に必須であるが、モザイク解析(MADM法)によって、p57は細胞自律的メカニズムと細胞非自律的メカニズムによって細胞の増殖を正負に制御していることが明らかとなった ( Laukoter et al., Nature Commun. )

乳腺特異的なFbxw7コンディショナルノックアウトマウスを作製し、正常な乳腺発達のためにはFbxw7が必要であることを示した。またFbxw7が欠失した乳腺からは、一定期間が経つとヘテロな細胞集団からなる乳がんが発生することが明らかとなった ( Onoyama et al., Cancer Res. )

オリゴデンドロサイト特異的Chd8欠損マウスをMRIで解析し、微小構造や機能的連結の変化を見出した ( Kawamura et al., Mol. Brain )

Protrudin欠損マウスを作製して行動学的解析を行い、うつ様行動異常等の変化を見出した。一方で、痙性対麻痺は認められなかった ( Shirane et al., Mol. Brain )

2021

血液幹細胞特異的Chd8欠損マウスを作製し、CHD8が血液幹細胞からの分化に必須であることを証明した ( Nita et al., Cell Rep. )

老化細胞ではGLS1が高発現してアンモニアを産生し、それによって細胞内pHの低下を防いでいることを発見した。さらにGLS1の阻害薬で老化細胞が除去され、その結果として老化による異常が是正された ( Johmura et al., Science )

人工知能を用いて大腸がんの予後に関わる遺伝子を探索し、16個の遺伝子の発現で予後が決定されることを示した ( Shimizu and Nakayama, NPJ Genom. Med. )

小脳特異的Chd8欠損マウスを作製し、CHD8は運動機能には必須であるものの、自閉症様行動は認められないことを発見した ( Kawamura et al., Cell Rep. )

翻訳開始点を正確に同定するための新規手法(TISCA)を開発し、near-cognateコドンからの翻訳開始は主にeIF2に依存していることを明らかにした ( Ichihara et al., Nucleic Acids Res. )

従来non-coding RNAと信じられていたTINCRが、実は短いユビキチン様タンパク質(TUBL)をコードしており、上皮のケラチノサイトの増殖に関与していることを明らかにした ( Nita et al., PLOS Genet. )

トランスオミクス解析によってインスリンシグナル伝達の複数のレイヤーを統合し、ネットワークの特徴を調べた ( Matsuzaki et al., Cell Rep. )

2022

同一の遺伝子座から産生される二つの双子分子Kastor/PolluksがどちらもVDACと結合し、精子形成や運動に重要な役割を果たしていることを示した ( Mise et al., Nature Commun. )

腸管の+4ポジションに存在するp57+細胞は、通常時には分化細胞として振る舞うが、傷害があると幹細胞性を持つようにリプログラムされることを実証した。このリプログラミングは胎児性変化と胃上皮様変化を伴う時空間的な変化を特徴とすることが明らかとなった ( Higa et al., Nature Commun. )

HSF1のリン酸化はTRRAP-TIP60複合体を介してクロマチンを活性化し、腫瘍発生を促進することを発見した ( Fujimoto et al., Nature Commun. )

任意のタンパク質-化合物の結合を予測する人工知能「LIGHTHOUSE」を開発し、がん・細菌感染症・メタボリックシンドローム・新型コロナウイルス感染症等に有効な化合物を発見した ( Shimizu et al., iScience )

2023

mTORの下流分子をリン酸化プロテオミクス技術で探索したところ、PBX2がmTOR依存的に脱リン酸化されることを発見した ( Wada et al., J. Biochem. )

大腸がんのシングルセル解析によって、従来の幹細胞分画には増殖の速い細胞と遅い細胞があり、後者にはp57が特異的に発現していることを発見した。またこの細胞を焼灼することにより、大腸がんの進行や再発が抑制されることを実証した ( Oka et al., Cancer. Res. )

横紋筋特異的に発現するRPL3Lが筋収縮やミトコンドリア関連のタンパク質の翻訳を制御し、RPL3Lノックアウトマウスは心不全を呈することを発見した ( Shiraishi et al., Nature Commun. )

ASC-1複合体が翻訳リボソームだけでなく走査リボソームにも結合しており、走査リボソームがmRNA上を進みやすくするように補助する機能を持つことを明らかにした ( Kito et al., EMBO J. )

元々海洋生物は祖先型Keap1 (Keap1A) を持っているが、魚類において遺伝子重複によりKeap1Bが出現し、Keap1BはCul3との結合力が弱まってNrf2のユビキチン化活性が低下していることを発見した。生物の陸上進化の際にKeap1Aは失われてKeap1Bのみとなり、その結果高レベルのNrf2が活性酸素に対する防御機構として働いていることがわかった ( Yumimoto et al., Sci. Adv. )

FOXK1の肝臓特異的ノックアウトマウスを作製したところ、高脂肪食による脂肪肝炎が有意に抑制され、発がん率も減少した ( Fujinuma et al., Cell Rep. )

小細胞肺がんにおいてプリン合成のサルベージ経路とde novo経路を6-MPとメソトレキセートで抑制し、さらにグルタミン供給を下げると強い抗がん作用が得られた ( Kodama et al., Cell Rep. )

T細胞の正負の選択に際し、T細胞レセプターからの漸増的なシグナルはRSKのリン酸化の過程でデジタル情報化されることが判明した ( Funasaki et al., iScience )

2024

自閉症患者における点突然変異の影響を予測し、その実証実験を行うことによって、自閉症の発症メカニズムが複数あることを発見した ( Shiraishi al., Mol. Psychiatry )

脳が酸性に傾く精神・神経疾患モデル動物を多数発⾒し、 多様な疾患にまたがる認知機能障害の脳内メカニズムを解明した ( Hagiwara al., eLife )

論文リスト

The latest articles.
Authors’ name links to abstract on PubMed
last update 2024.3.15

2024

Shiraishi T, Katayama Y, Nishiyama M, Shoji H, Miyakawa T, Mizoo T, Matsumoto A, Hijikata A, Shirai T, Mayanagi K, Nakayama KI.
The complex etiology of autism spectrum disorder due to missense mutations of CHD8.
Mol. Psychiatry,  Online ahead of print, 2024.

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Shiraishi T, Katayama Y, Nishiyama M, Shoji H, Miyakawa T, Mizoo T, Matsumoto A, Hijikata A, Shirai T, Mayanagi K, Nakayama KI.

The complex etiology of autism spectrum disorder due to missense mutations of CHD8.
Mol. Psychiatry,  Online ahead of print, 2024.

Sugiyama S., Yumimoto K., Fujinuma S., Nakayama KI.
Identification of effective CCR2 inhibitors for cancer therapy using humanized mice.
J. Biochem., 175: 195-204, 2024.

Hagiwara H., (incl. Nakayama KI.), Miyagawa T.
Large-scale animal model study uncovers altered brain pH and lactate levels as a transdiagnostic endophenotype of neuropsychiatric disorders involving cognitive impairment
eLife, 12:RP89376, 2024.

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2004

2003

2002

2001

No. 1, Times Cited: 1343.

Nakayama K., Ishida N., Shirane M., Inomata A., Inoue T., Shishido N., Horii I., Loh DY., Nakayama KI.
Mice lacking p27(Kip1) display increased body size, multiple organ hyperplasia, retinal dysplasia, and pituitary tumors.
Cell, 85: 707-20, 1996.

No. 2, Times Cited: 976.

Nakayama KI., Nakayama K.
Ubiquitin ligases: cell-cycle control and cancer.
Nature Rev. Cancer, 6: 369-81, 2006.

No. 3, Times Cited: 602.

Nakayama K., Nagahama H., Minamishima YA., Matsumoto M., Nakamichi I., Kitagawa K., Shirane M., Tsunematsu R., Tsukiyama T., Ishida N., Kitagawa M., *Nakayama KI., Hatakeyama S.
 
(*Corresponding author)
Targeted disruption of Skp2 results in accumulation of cyclin E and p27(Kip1), polyploidy and centrosome overduplication.
EMBO J., 19: 2069-81, 2000.

No. 4, Times Cited: 532.

Yada M., Hatakeyama S., Kamura T., Nishiyama M., Tsunematsu R., Imaki H., Ishida N., Okumura F., Nakayama K., Nakayama KI.
Phosphorylation-dependent degradation of c-Myc is mediated by the F-box protein Fbw7.
EMBO J., 23: 2116-25, 2004.

No. 5, Times Cited: 444.

Kitagawa M., Hatakeyama S., Shirane M., Matsumoto M., Ishida N., Hattori K., Nakamichi I., Kikuchi A., Nakayama KI., Nakayama K.
An F-box protein, FWD1, mediates ubiquitin-dependent proteolysis of beta-catenin.
EMBO J., 18: 2401-10, 1999.

No. 6, Times Cited: 417.

Takai H., Tominaga K., Motoyama N., Minamishima YA., Nagahama H., Tsukiyama T., Ikeda K., Nakayama K., Nakanishi M., Nakayama KI.
Aberrant cell cycle checkpoint function and early embryonic death in Chk1(-/-) mice.
Genes Dev., 14: 1439-47, 2000.

No. 7, Times Cited: 416.

Hatakeyama S., Yada M., Matsumoto M., Ishida N., Nakayama KI.
U box proteins as a new family of ubiquitin-protein ligases.
J. Biol. Chem., 276: 33111-20, 2001.

No. 8, Times Cited: 377.

Nakayama KI., Nakayama K., Negishi I., Kuida K., Shinkai Y., Louie MC., Fields LE., Lucas PJ., Stewart V., Alt FW., Loh DY.
Disappearance of the lymphoid system in Bcl-2 homozygous mutant chimeric mice.
Science, 261: 1584-8, 1993.

No. 9, Times Cited: 357.

Nakayama K., Nakayama KI., Negishi I., Kuida K., Sawa H., Loh DY.
Targeted disruption of Bcl-2 alpha beta in mice: occurrence of gray hair, polycystic kidney disease, and lymphocytopenia.
Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 91: 3700-4, 1994.

No. 10, Times Cited: 325.

Kamura T., Hara T., Matsumoto M., Ishida N., Okumura F., Hatakeyama S., Yoshida M., Nakayama K., Nakayama KI.
Cytoplasmic ubiquitin ligase KPC regulates proteolysis of p27(Kip1) at G1 phase.
Nature Cell Biol., 6: 1229-35, 2004.

研究費獲得状況

※ 現在取得中のもの

中山 敬一 教授

戦略的創造研究推進事業(CREST)

H9~H14  脳を守る「神経細胞における増殖制御機構の解明」

H14~H19 生命の発生・分化・再生「細胞周期の再活性化による再生能力の賦活化の研究」

H19~H24 生命システムの動作原理の解明と活用のための基盤技術の創出「ユビキチンシステムの網羅的解析基盤の創出」

シーズイノベーション推進事業

H18~H19 育成ステージ「ユビキチン化酵素の阻害による新規抗肥満薬の開発」

科学研究費補助金

H9~H10  基盤研究(B)「PKCδノックアウトマウス作成による細胞死(アポトーシス)シグナル伝達系の研究」

H11~H12 基盤研究(B)「神経変性疾患における封入体物質のユビキチン化に関わる因子の単離同定と解析」

H12~H16 特定領域研究(計画班)発がんと発がん防御の基礎的研究「細胞周期抑制分子p27の分解機構の研究」

H13~H14 基盤研究(B)「ポリグルタミン病における異常タンパク質の新規クリアランスシステムの研究」

H15~H16 基盤研究(B)「発生工学プロテオミクスを用いたPKC-δシグナル伝達系の解明」

H17~H21 基盤研究(S)「神経突起形成のマスター分子Protrudinの発見と機能解析」

H17~H21 特定領域研究(計画班)遺伝情報システム異常と発がん「タンパク質分解異常による発がん機構の研究」

H22~H24 基盤研究(A)「小胞輸送制御分子プロトルーディンの神経機能における役割の解明」

H22~H26 新学術領域研究(研究領域提案型)「癌幹細胞の細胞周期制御機構の解明と治療法の開発」

H25 挑戦的萌芽研究「自閉症スペクトラムの原因候補遺伝子の機能解析」

H26 挑戦的萌芽研究「次世代プロテオミクスを用いたがんにおけるワールブルグ効果の根本的な解明」

H25~H29 基盤研究(S)「幹細胞維持分子の機能解析と全身の幹細胞の可視化を目指した総合的研究」

H27 挑戦的萌芽研究「栄養シグナルと炎症を結ぶ新規シグナル伝達経路の解明」

H29~H33 *特別推進研究採択に伴い、H30.4.22付けで廃止 新学術領域研究(研究領域提案型)「がん細胞の代謝アダプテーション」

H30~R4 特別推進研究「幹細胞における細胞周期の制御と代謝系との連関に関する総合的研究」

R5~R7 基盤研究(A)「幹細胞における時空間リプログラミングの機構解明と疾患との関わりの研究」

厚生労働科学研究費補助金

H25 第3次対がん総合戦略研究事業「癌転移能を規定する宿主側のユビキチン化機構の解明」

H26 革新的がん医療実用化研究事業「膵癌症例の術後転移再発抑制を目差した慢性肝炎治療薬3-オキシゲルミルプロピオン酸重合体を用いた臨床治験に関する研究」

次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラム(P-DIRECT)

H23~H26 がん関連遺伝子産物の転写後発現調節を標的とした治療法の開発「がんの増殖を制御するユビキチン化酵素群を標的とする治療薬の開発」

AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)

H27(H26より引き続き) 厚生労働科学研究委託費(革新的がん医療実用化研究事業)「膵癌症例の術後転移再発抑制を目差した慢性肝炎治療薬3-オキシゲルミルプロピオン酸重合体を用いた臨床治験に関する研究」

H27(H26より引き続き) 科学技術試験研究委託事業(次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラム)「がん関連遺伝子産物の転写後発現調節を標的とした治療法の開発」

H28.5.25〜R4.3.31 次世代がん医療創生研究事業「FOXK1によるCCL2発現調節機構を標的としたがん治療法の開発」

H29.1.1〜R4.3.31 創薬支援推進事業(厚労省)「癌代謝制御ハブ分子の新規阻害剤の探索」

R4.10.1〜R5.3.31 創薬支援推進事業・創薬総合支援事業「がん幹細胞を標的とした薬剤の探索」

R3.7.1〜R7.3.31 脳とこころの研究推進プログラム(精神・神経疾患メカニズム解明プロジェクト)「自閉スペクトラム症の分子的機序に関する研究開発」

R5.4.1〜R8.3.31 革新的がん医療実用化研究事業「難治性がんを標的とした代謝酵素阻害薬の創出」

九州大学教育研究プログラム・研究拠点形成プロジェクト

H25〜H26 九州大学COE研究「次世代プロテオミクスと数理情報科学の融合によるネットワーク創薬研究拠点の形成」

民間グラント(500万円以上)

H8 東レ科学技術研究助成「神経再生に関する基礎的研究と脳移植への応用」

H12~H14 Human Frontier Science Program「Molecular analysis of the SCF ubiquitin ligase from yeast to human」

H15 三菱財団自然科学研究助成「細胞増殖抑制分子p27の分解機構の研究」

H18 上原記念生命科学財団研究助成金「細胞周期からの脱出と再進入に関わるユビキチンリガーゼ群の研究」

H19 武田科学振興財団研究助成・特定研究助成[I]「幹細胞における増殖分化決定機構の解明と癌幹細胞への応用」

比嘉 綱己 助教

科学研究費補助金

R5~R6 若手研究「p57系等追跡と1細胞解析を用いた条件誘導型幹細胞の網羅的探索と脱分化機構の解明」

賞状

2005年度

Shirokane International Symposium
Young Investigator Award
白根 道子

特定領域研究 「タンパク質の一生」
ポスター優秀賞
中川 直

生医研リトリート
口頭発表 優秀賞
小野山 一郎

生医研リトリート
ポスター発表 優秀賞
西山 正章

生医研リトリート
ポスター発表 優秀賞
洲崎 悦生

2006年度

生医研リトリート
口頭発表 優秀賞
洲崎 悦生

生医研リトリート
ポスター発表 最優秀賞
松本 有樹修

2007年度

The Joint Symposium of the 3rd International Symposium of Institutes Network and Hot Spring Harbor-Global COE Symposium
Young Investigator Award
西山 正章

生医研リトリート
口頭発表 優秀賞
田中 佳苗

生医研リトリート
ポスター発表 優秀賞
細田 將太郎

2008年度

生医研リトリート
口頭発表 最優秀賞
松本 有樹修

生医研リトリート
ポスター発表 優秀賞
松崎 芙美子

The Joint Symposium of the 4th International Symposium of Institutes Network and Osaka University Global COE
Young Investigator Award
松本 有樹修

2009年度

生医研リトリート
口頭発表 最優秀賞
松崎 芙美子

生医研リトリート
ポスター発表 最優秀賞
松本 有樹修

2010年度

生医研リトリート
ポスター発表 優秀賞
諸石 寿朗

第50回 生命科学夏の学校
Best question賞
細田 將太郎

平成22年度 がん若手研究者ワークショップ
最優秀演者
蟹江 共春

平成22年度 個体レベルでのがん研究支援活動ワークショップ
ベストディスカッサー賞
沖田 康孝

The Joint Symposium of the 7th Global-COE International Symposium and 6th Young Investigators Forum
Young Investigator Award (Oral)
諸石 寿朗

The Joint Symposium of the 7th Global-COE International Symposium and 6th Young Investigators Forum
Young Investigator Award (Poster)
沖田 康孝

2011年度

生医研リトリート
口頭発表 最優秀賞
諸石 寿朗

生医研リトリート
ポスター発表 優秀賞
細田 將太郎

2012年度

The 7th International Symposium of Institute Network
Young Investigator Award
諸石 寿朗

第16回日本がん分子標的治療学会学術集会
優秀ポスター賞
舟崎 慎太郎

生医研リトリート
口頭発表 最優秀賞
細田 將太郎

生医研リトリート
ポスター発表 優秀賞
中津海 洋一

2013年度

The 8th International Symposium of Institute Network
Best Poster Award
中津海 洋一

生医研リトリート
口頭発表 最優秀賞
中津海 洋一

生医研リトリート
ポスター発表 最優秀賞
片山 雄太

第25回高遠・分子細胞生物学シンポジウム
ポスター発表 最優秀賞
中津海 洋一

The Joint Symposium of the 23rd Hot Spring Harbor International Symposium and the 3rd ‘Grants for Excellent Graduate Schools’ International Symposium
Outstanding Poster Award
西山 正章

2014年度

The 9th International Symposium of Institute Network
Best Poster Award
片山 雄太

生医研リトリート
口頭発表 優秀賞
片山 雄太

生医研リトリート
ポスター発表 優秀賞
弓本 佳苗

生医研リトリート
ポスター発表 優秀賞
喜多 泰之

井上科学振興財団
第31回井上研究奨励賞
武石 昭一郎

がん若手研究者ワークショップ
ベストディスカッサー賞
武藤 義治

2015年度

生医研リトリート
優秀口演賞
喜多 泰之

The 10th International Symposium of Institute Network
Best Poster Award
弓本 佳苗

第38回日本分子生物学会年会、第88回日本生化学会大会 合同大会
若手優秀発表賞
川村 敦生

2016年度

生医研リトリート
最優秀口演賞
比嘉 綱己

生医研リトリート
優秀ポスター賞
大西 隆史

生医研リトリート
優秀ポスター賞
川村 敦生

平成28年度 生命科学科ポスター発表会
ベストプレゼンテーション賞
白石 大智

第39回 日本分子生物学会年会
優秀ポスター賞
中津海 洋一

第39回 日本分子生物学会年会
優秀ポスター賞
大西 隆史

第39回 日本分子生物学会年会
優秀ポスター賞
仁田 暁大

第19回 武田科学振興財団生命科学シンポジウム 慢性炎症:機序と制御
Excellent Poster Award
中津海 洋一

第90回日本薬理学会年会優秀発表賞
Young Investigator Outstanding Oral Presentation Award
南嶋 洋司

2017年度

第69回日本細胞生物学会大会
若手最優秀発表賞
松本 有樹修

生医研リトリート
最優秀口演賞
川村 敦生

生医研リトリート
最優秀ポスター賞
武藤 義治

生医研リトリート
優秀ポスター賞
仁田 暁大

日本プロテオーム学会2017年大会(JHUPO第15回大会)
平成29年度日本プロテオーム学会賞
松本 雅記

The 12th International Symposium of Institute Network
Poster Award
比嘉 綱己

2017年度九州大学医学博士
優秀賞
片山 雄太

2018年度

生医研リトリート
最優秀口演賞
清水 秀幸

生医研リトリート
優秀ポスター賞
比嘉 綱己

生医研リトリート
優秀ポスター賞
白石 大智

日本学術振興会 平成29年度特別研究員等審査会
専門委員 書面担当 表彰
弓本 佳苗

次世代脳プロジェクト 冬のシンポジウム2018
若手優秀発表賞
片山 雄太

2019年度

生医研リトリート
最優秀質問賞
比嘉 綱己

生医研リトリート
最優秀質問賞
立石 千瑳

生医研リトリート
優秀口演賞
小玉 学

生医研リトリート
優秀ポスター賞
見世 慎太朗

生医研リトリート
優秀ポスター賞
立石 千瑳

新学術領域「マルチスケール精神病態の構成的理解」第二回領域会議
若手優秀発表賞
白石 大智

新学術領域研究「数理シグナル」第三回若手ワークショップ
優秀討論賞
立石 千瑳

2020年度

The 15th International Symposium of Institute Network
Early Career Investigator Award (Oral)
小玉 学

2021年度

生医研リトリート
最優秀口演賞
見世 慎太朗

2022年度

生物工学若手研究者の集い オンラインセミナー2022
Active discussion award
白石 大智

生物工学若手研究者の集い オンラインセミナー2022
Active discussion award
白石 千瑳

生医研リトリート
最優秀口演賞
白石 千瑳

生医研リトリート
最優秀質問賞
白石 大智

生医研リトリート
最優秀ポスター賞
市原 知哉

生医研リトリート
優秀ポスター賞
和田 玲緒名

2023年度

生医研リトリート
最優秀ポスター賞
白石 大智

生医研リトリート
優秀口演賞
須賀原 修

生医研リトリート
最優秀質問賞
湊 隆文

生医研リトリート
優秀ポスター賞
湊 隆文

九州大学伊藤早苗賞
九州大学 若手女子大学院生 優秀研究者賞
白石(立石) 千瑳

設備

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TV報道・番組

2013年3月19日 NHKニュース

“がん作る細胞”に効果

2013年9月8日 NHK サイエンスZERO

がん再発の謎が解けた!新発見「がん幹細胞」

2013年9月19日 NHK クローズアップ現代

がん“根治”の時代は来るか ~“がん幹細胞”研究最前線~

2016年9月8日 NHKニュース

自閉症などの発症 メカニズムを解明

2018年9月27日 NHKニュース

乳がん手術後の生存率“23遺伝子が深く関係”

2018年9月27日 NHKほっと関西

乳がん生存率に関係か 遺伝子23種類

Exit and Re-entry of the Cell Cycle

胞周期は,G0からG1,S,G2,Mの各期を回る周期である。G0期は静止期と呼ばれ,細胞分化・老化・アポトーシスなどのさまざまな生命現象のゲートウェイとなる時期であると考えられている。G0期制御の破綻は癌などの深刻な疾患を引き起こす。しかしながら,細胞周期からG0期へのexit及びre-entryのメカニズムは長らく不明であった。

本年我々は,このG0期制御のメカニズムを提唱する論文を相次いで発表した。小野山らはユビキチンリガーゼの一つであるFbxw7がMycの分解を制御することにより,リンパ球の分化段階におけるG0期へのexit,およびre-entryに極めて重要な働きを担っていることを明らかにした (J.Exp.Med., 204:2875-2888, 2007) 。Fbwx7のリンパ球特異的ノックアウトマウスはリンパ球の分化に異常を来す。長期的にはリンパ腫を発症し,早期に死亡する。

一方,洲﨑らはG0-G1移行期における細胞周期の負の制御因子であるp27の分解メカニズムの一端を明らかにした。p27はG0期において核内に蓄積しCDK活性を抑制しているが,G0-G1移行期に細胞質へ移行しそこで分解を受ける。洲﨑らはこの輸送がG1早期サイクリンであるサイクリンD2に依存してることを明らかにし(Mol.Cell.Biol., 2007),これまで分かっている複数の核外移行パスウェイを統合した新しいモデルを提唱した(Cell Cycle,6:3015-3020,2007)。

以上の知見は,これまでほとんど踏み込まれてこなかったG0期制御のメカニズムの解明に向けた,大きな第一歩である。